フィナステリドとデュタステリドの違いは?

AGA(男性型脱毛症)医薬品として代表的なものがフィナステリド(プロペシア)ですが、最近はデュタステリドという成分が注目されています。フィナステリドとデュタステリドではどんな違いがあるのでしょうか。

そもそもAGAの原因として、テストステロンという男性ホルモンと5αリダクターゼという酵素が結びつくことによって、ジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンが生成されてしまうことにあります。このDHTが毛乳頭を収縮させてしまい、結果的に髪の毛の成長が止まってしまうわけです。5αリダクターゼには1型と2型があり、フィナステリドは2型5αリダクターゼを抑制する効果があります。それに対しデュタステリドは、1型と2型両方のタイプの5αリダクターゼを抑制する効果があるので、フィナステリドよりも効果が高く、臨床試験のデータもそれを支持しています。デュタステリドはフィナステリドよりも1.5倍AGA治療の効果が高いという結果が出ています。

フィナステリドは一般に頭頂部の脱毛には効果がありますが、前頭部の脱毛には効果がありません。これは前にも述べたようにフィナステリドは2型の5αリダクターゼを抑制する効果があり、2型の5αリダクターゼが主に頭頂部に多いからだと考えられます。それに対し1型の5αリダクターゼは前髪や髪の生え際部分に多く存在しています。それで、1型と2型両方のタイプの5αリダクターゼを抑制する効果のあるデュタステリドは、頭頂部だけでなく前頭部の脱毛にも効果があるのです。

このデュタステリドを有効成分とした薬として、グラクソ・スミスクラインから出た「ザガーロ」が2015年9月にAGA治療薬として国内で承認されました。ただ、このデュタステリドには「耐性がつきやすい」という難点があります。つまり使い続けていくうちに効き目が弱くなってしまうということです。その点フィナステリドは長く使っていても効き目が弱くなる現象は認められていません。それで対策としては、デュタステリドの耐性がつき始める頃にフィナステリドに切り替え、ある程度期間がたったらまたデュタステリドに戻す、という方法で耐性の問題を回避できるかもしれません。

副作用ですが、ザガーロの方がプロペシアに比べ若干副作用が出る確率が高いというデータもありますが、測定方法に違いがあるため一概に比べることはできません。またザガーロは以前から、国内では「アボルブ」、海外では「アボダート」の名前で前立腺肥大の薬として使われていたので、すでに多くの人が使っています。つまり今まで報告されている以上の副作用がこれから生じる可能性は低いと考えられます。